2009年から2010年にかけて、北海道庁と札幌市の新幹線対策担当当局から、新幹線ルートの情報が公開されるようになりました。
札幌市内の区間については、手稲区の区間が殆どトンネルで、出口が手稲区西宮の沢2条3丁目付近。
そこから先は、高架になり、現在の発寒駅付近より函館本線と並走する形で札幌駅まで続きます。
札幌駅から先は引込み線(待避線)で、苗穂駅の近く(中央区北3条東10丁目)が工事終点です。
この先500mくらい先に、某所では(列車の)「魔改造と高度な整備技術力」で有名なJR北海道の整備工場があるのですが、そこに引き込むかどうかはJR北海道の判断で決定すると思われ、何とも言えません。
現状でも2002年頃に実施された環境アセス時から宅地化・市街化が進んでおり、実際に建設される段階でどう対応するのかが問われる状況になっています。
〔画像クリックで拡大表示〕 | 地点1から南側 | 地点2から北側 この高圧送電線横切ると、高架になる |
地点1から北側 |
環境アセス記述のトンネル出口付近。 何故か空き地。 |
もうちょっと近づいてみましょう。 | やっぱり空き地。(地点3から) ここに新幹線トンネル? |
地点2から東側 建設予定ルート上に幾つかの建物が。。。 |
手稲区西宮の沢2条3丁目付近に建設予定のトンネル出口ですが、
2002年頃に実施された環境アセス策定時には何も無かった場所が、現在は宅地化しており、
実際に建設開始の際は、
・近場の代替地を用意して立ち退き
・トンネル出口を1km程度先へ変更(発寒駅付近?)
・若干のルート変更?
などの対応を迫られるはずです。
いずれにせよ、この近辺に住宅や工場が立ち並んでしまうとそれだけ余計に補償費用がかさむはずなので、出来ることなら今からでも移転補償等を始め、さっさと建設開始して欲しいところです。
自動車通行量が最も少なくなる早朝に撮影したため、画像が暗かったり、若干朝焼けだったりしています。
トンネルを抜け、札幌駅方面へ向かう最初の架道橋が、道道128号札幌北広島環状線を横断します。環境アセスには「手稲架道橋」と記載されています。
この道路は、地元では「追分通」と呼ばれ、総幅員 50m の副道付き片側2車線整備の幹線道路です。
陸橋の手前を高架で渡る形になります。トンネル出口からあまり距離が無く、近くに陸橋があるため、高さ制限クリア出来るのかが若干気になります。
行く手に幾つか既存の建造物があります。移転とその補償も求められるところです。
新幹線は、発寒駅の手前で現在の函館本線に寄り添う形になり、既存鉄道の南側を札幌駅まで並行します。
新幹線の線路は、幅10m は必要なので、道路沿いの川(用水路?)は埋めることになるかもしれません。
この区間は、函館本線の南側に沿って建設される予定です。
従って、現在の函館本線の南側に幅約10m の敷地が最低限確保されていなければならないことになります。
途中、発寒駅と発寒中央駅がありますが、この2つの駅は、構造的な問題で、新幹線建設と共に改築されるものと考えられます。
特に発寒中央駅は、駅舎自体が新幹線建設の上で障害物になるため、全面的に建て替えられ、駅周辺も様変わりするものと考えられます。
発寒駅は比較的立派な造りなのに対して、発寒中央駅は造りが単純です。
これは、国鉄時代に発寒駅は国鉄が設置したものであるのに対し、
発寒中央駅は地域住民の陳情によって設置された歴史的経緯であるもの、と言われています。
この流れが温存されているものと仮定すると、発寒駅の改築はJR北海道の費用負担があるが、
発寒中央駅は札幌市が改築する、ということが考えられます。
発寒中央駅付近を除けば、新幹線建設敷地確保の問題は無さそうです。
この区間も、函館本線の南側に沿って建設される予定です。このあたりは、はっきり判る形で用地が確保されております。
このあたりは、1988年に琴似駅から札幌駅までの連続立体交差事業で鉄道が高架になるまでは、
函館本線が占有していた敷地で、それをそのまま新幹線建設用地に転用することになります。
新幹線建設の際、琴似駅は、高架を南側に拡幅する形になるため、駅舎の一部を改築することになります。
その拡幅用地のスペースを概ね空けてあるので、最低限の準備は出来ているようです。
桑園駅前の取材を終えた後、カメラが電池切れになったため、止むを得ず別の日に取材続行しました。
この区間も高架の南側が新幹線建設敷地です。高架になる前の函館本線跡地がそのまま新幹線建設敷地になっている状況です。
桑園駅から西8丁目あたり(地点22)までは、かなり幅広い用地があります。新幹線建設の際、この敷地全体を使うかどうかまでは判りません。
札幌駅は、現在の1番ホームと2番ホームを新幹線専用の発着に転用することが決まっています。
札幌駅の1番ホームと2番ホームは、高架の南側にあります。そのため、西8丁目から先は、高架拡幅用地幅が狭くなっています。
それでも狭軌(1,067mm)から、新幹線で使われる世界標準軌(1,435mm)に対応するため、高架は少し拡幅するようです。
札幌駅本体は既に新幹線乗り入れが可能になっています。ただ、多少の改築は必要なようです。
現在は、いつでも着工できるよう、札幌駅構内新幹線転用部の耐震補強の設計が行われています。
札幌駅から先も、引き上げ線が建設されます。ただ、高架は東6丁目あたりまでで、在来線と同様です。
東9丁目の踏み切りは、新幹線車両もお目にかかれるはずです。
工事終点から500m ほど先に、JR北海道の整備工場があるのですが、そこまで引き込むのかどうかは不明です。